お庭づくりの豆知識や、日々のこと
スダチの育て方
温暖地なら庭でも比較的育てやすい柑橘系の常緑低木
スダチ
スダチはその爽やかな香りと酸味で日本料理には欠かせない果実。徳島県の特産品ですが、他の柑橘系の中でも意外に耐寒性があり庭での栽培ができて比較的育てやすい果樹です。
植物名:スダチ
学名:Citrus sudachi
和名:酢橘
科目:ミカン科
属名:ミカン属
原産地:日本徳島県
花言葉:純潔
特徴
スダチはミカン科の常緑低木です。成長しても3m程度の低木でコンパクトなため、庭植えでも鉢植えでも栽培が可能です。
花は5月~6月頃に純白の花を咲かせます。花言葉の純潔はこの白い花から名づけられました。幹には鋭いトゲがあり、栽培や収穫時には注意が必要です。
秋になると果実が実ります。果皮が青い未熟果のうちに収穫し出荷されたものが出回りますが、そのまま熟すとミカンと同様に黄色く色づき甘くなりますがミカンほどの糖度はありません。スダチの結実は苗を植えてから3年から4年かかります。自家結実のため、一本で実がなります。
毎年ある程度の収穫を期待するには、7月ごろに実を間引く摘果をします。そのまま自然のままに放っておくと柑橘系の特徴で、一年おきに実がつくようになります。
環境
徳島県が産地であるように、温かい気候でよく育ちます。ただし、スダチは柑橘類のなかでも比較的寒さに強いほうとされています。それでも、年間の平均気温が14度以上の環境で栽培するのが望ましく、最低気温がマイナス6度前後になると枝が枯れたりなどの生育に影響が出ます。
地植えで育てる場合は、日当たりがよく、北風が当たりにくい場所に植えます。
鉢植えの場合は、日当たりがよい屋外に置きましょう。寒くなったら、暖かい場所へ移動させるように管理します。
水やり
地植えの場合は、自然降雨で十分育ちます。真夏の乾燥が続くような時期には適宜水やりを行ってください。
鉢植えの場合は、基本的に土の表面が乾いたらしっかりと水やりをします。特に夏に株が乾燥を受けると、果実の大きさに関与してきます。水分を与えないほうが実は甘みを増すと言われている一方で、少なくとも8月頃までは乾燥したら、水をしっかりと与えるようにしたほうがよいでしょう。
肥料
スダチは肥料を好む果樹といえます。なので、1年を通じて肥料を切らさないように管理するのがポイントになります。
タイミングとしては年に3回ほど。3月と6月と10月に油かすなどの有機質肥料や即効性のある化成肥料を施します。特に3月に与えるのは油かすがおすすめです。
土
土は水はけがよく、肥沃な土が適しています。配合土の場合は赤玉土小粒7:腐葉土3程度の割合がおすすめです。
土壌は弱酸性でpH6度辺りが理想的です。
剪定
スダチは植え付けてから二年目頃より、剪定を開始します。スダチは放っておくとどんどん枝が密集していってしまう性質の為、枝が密集すると、風通しや日当たりが悪くなり生育に影響があるだけでなく、病害虫の発生原因にもなってしまいます。適切に剪定を施すことが大切になります。
剪定時期は、2月から3月ごろです。この頃に、蕾ができているかどうか、スダチを注意深く観察して残しながら剪定します。剪定するのは、古い枝や込み入っている枝のみにします。
または、スダチの収穫と摘果を兼ねて、7月末ごろより始めてもよいでしょう。収穫の旬は最も香りがよいとされる9月頃ですがそのまま10月ごろまで残すと黄色く色づいて熟します。
スダチの摘果
スダチに限らず一般的に柑橘類は、果実が多く実を結ぶ年と、少ない年を交互にくりかえす性質をもちます。毎年ある程度の収穫量を期待する場合には、葉果比に注意しましょう。葉果比とは、実に対して葉を何枚ほど残すと良いのかという指標です。スダチは8枚ほどといわれており、6~7月ごろに余分な実を収穫する摘果を行う必要があります。